さっきいたお店から近い場所にあるラブホにたどり着き
私達は駐車場で緊張のあまり変な空気になっていた
「…行こうか?」
「はい」
私は静かに頷き車から降りた谷田さんの後を追った
フロントで鍵をもらい部屋まで向かう
エレベーターの中で私は谷田さんの手を握った
谷田さんはその私の手を握り返してくれて私達は手を繋いで部屋まで向かった
「シャワー行ってくる?」
谷田さんに問われて先にシャワーに行かせてもらった
もう引き返せない
シャワーを浴びながら私の覚悟は決まっていた
谷田さんに遊びでもいい
一度だけでも抱いてほしい
もしかしたら軽い女って思われるかもしれない
それでも、私の好きな人として私を抱いてほしいと思ってしまった
緊張と興奮とトキメキ、恋心で胸が締め付けられる
シャワーを終え、バスタオルで部屋に戻ると谷田さんが部屋を限りなく暗くしてくれていて
その気遣いが嬉しかった
「じゃあ、俺行ってくるな」
「はい」
谷田さんがシャワーから帰ってきたらどんな事が起こるのだろう
先の展開を想像できないまま私はメイク直しをし始めるくらい驚くほど冷静だった