梅崎くん歓迎会から数ヶ月後

同期の直也からメールが来る

「ご飯行かないか」

………と




梅崎くんを入れた3人でのご飯会

梅崎くんは素直で優しくてかわいらしいイケメン

初め見た時はチャラチャラした感じに見えたけど

直也にいじられても笑顔で爽やかにかつ面白く反応してくれる


直也は最近、私と谷田さんをネタにして遊ぶようになった

でもそれは二人でいる時だけ

「今日は谷田さんに助けられて、本当に頼りになる人です」

会社の話をしていると梅崎くんが谷田さんの話をし始める

前から思っていたけど梅崎くんは谷田さんがかなり好きみたいだった

そういう好きじゃなくて直也と一緒で直属の上司だから尊敬してる

「谷田さんって樋山さんには優しいですよね」

梅崎くんが思わぬ事を

入社して数ヶ月の間にそんな事を思いながら仕事をしていたとは

「他の事務さん、特におばちゃんは適当にあしらうのに麗奈だけは丁寧だよなー」

直也がニヤニヤしながらわざとらしく言う

「おばちゃん達は皆適当にあしらうでしょ!!!いつも忙しい時にややこしい事言ってくるし」

と梅崎くんが大笑いした





その日の帰り

直也が車を出してくれていたから梅崎くん、私の順に送ってくれた

彼は男らしい

本当に女子を立ててくれる

私は彼氏の拓斗と付き合ってきて

直也ほど女子として大切に扱われた事があっただろうか

私の家近くの分かりやすい道で下ろしてもらう

車を止めて直也が言った

「今度、谷田さん誘ってご飯行こうよ」

「え!?そんなん恥ずかしい!!」

「大丈夫、大丈夫!!俺に任せろ」

私にとってはなんて素晴らしいチャンスなんだろう

谷田さんとご飯に行けるだなんて……

でも私は自分に自信がなかった

「谷田さんには家族いるし誘ったら迷惑なんじゃ…」

「何考えてんの!?ただ会社の仲間とご飯行くだけじゃね」

「そ、それはそうだけど……」

私は何かを期待していたのか……恥ずかしい

「じゃあやーめよっ」

「それはダメ!!!!」

「じゃあ決定!!聞いてみとくから」

直也のペースに乗せられてしまった

「わかった…ありがとう。気をつけて帰ってね」

「じゃぁね~」

直也は笑顔で帰って行った

直也の車を見えなくなるまで見送りながら

私はいつか訪れる谷田さんとのご飯会を夢見て

直也の働きに期待してしまった