今回の会場はカラオケ付

新入社員の梅崎くんが無理やり歌わされて若い者順から呼ばれていく

私は一つ年上の先輩と一緒にアイドル曲を軽く振り付けして歌った

途中、若い男の子達が加わってきてバックダンサーを努めてくれたお陰でかなり盛り上がった

私の出番、見ててほしかった…とステージ上でも谷田さんを待ち続けたが叶わなかった


おじさん達が次々熱唱していく中

ようやく待ちに待った人の姿が

谷田さんだ………

周りに歓迎されながら谷田さんはこちらに向かってくる

空いてる席…私の斜め向かえ

6人ずつの小島に分かれた配置の会場で同じテーブルだ

さっきまで誰か座っていた気がしたけど皆が動き回って席が変わる中たまたま私の斜め向かえが空いていた

私は少し思った

もしかして谷田さん、私の近くに来てくれたのかも……

「お疲れ様です」

私は元気に声をかけた

谷田さんはニコッとしてくれた

しばらくおじさん達の上手な歌を聞いていたら谷田さんの隣の人がどこかへ行ってしまった

これはチャンスだと隣の北川さんに言った

「私、谷田さんの隣に行きますので」

「勝手に行ってこいやー」

多少拗ねた様に返事する北川さんを放って谷田さんの隣に

ルンルンでパフっと座る

隣に来た私に谷田さんは一瞬戸惑い、照れたリアクションをして

笑顔でいらっしゃいと言ってくれた

「こいつはよー」

なんて北川さんが正面から拗ねた口調で言ってくるのに

谷田さんと二人で笑って返した



「歌ったの?」

谷田さんの問いかけに

「はい。谷田さんに見てほしかったなー結構盛り上がったんですよ!直也達がダンスして」

「マジで!?それは残念だったなー」

会話を続けていく内に北川さんはいなくなり私達のテーブルには人が少なくなっていた

私達は会の終わりまでおじさん達の歌をBGMにずっと二人で話していた

私は二人だけの空間に幸せを感じながら

目標を達成できた嬉しさで夜は気持ちよく眠りにつく事ができた