孝悠さんは今を生きてるんだから……。





彼女はそう言って、俺を励ましながら……
自分自身にも言い聞かせているようにも感じた。



彼女はUNAを慕ってる。
彼女に惹かれていく俺自身を必死に制御しようとした。


だけど……俺には、もうそれが出来そうになかった。

溢れだした涙を隠すように、腕を瞼の上にまわして
涙を拭うと、そのまま彼女の方に向き直って、そっと唇を重ねた。


驚いたような表情を見せた彼女が、再び笑顔を見せてくれた時、
俺自身の凍りすぎた心が、氷解していくのを感じた。





車の中で人目も気にせず彼女を抱きしめて
その温もりを感じながら、解き放たれていく心を感じていた。