「孝悠、こっち来いよ」 カウンターにいる俺の方に、一階のフロアから声をかけてくる慎哉。 慎哉のいるテーブルには懐かしい高校時代の仲間たちが、 賑やかに過ごしていた。 「すいません。 俺、あっち顔出してきます」 マスターに断わりを得て、親子らしい二人にもお辞儀をすると そのまま懐かしい輪の中へ入っていく。 久しぶりのライブハウスはとても懐かしくて、 だけど……そのステージでもう見ることのない孝輝の姿が 心を突き刺す。 その日は懐かしい連れと、遅くまで楽しんで夜を過ごした。