翔也Side


？「翔也…？もう７時半…」








翔也「…？姉ちゃん…？」








？「私もう行くから…陽太と叶、外で待ってるよ…」








翔也「…７時半？嘘だろっ」







どうやらまだ眠そうな目をこする姉ちゃん…







爽奈が、わざわざ起こしに来てくれたらしい。









爽奈「翔也…またあの夢見てたの…？」









俺がさっきまで寝ていたベッドに座り込み、きっと誰かとトークをしているのであろう。








ピロンピロンとうるさい着信音をBGMに姉ちゃんの質問に答えた。









翔也「…長い黒髪の女の子だった」









俺の言葉に姉ちゃんは言う。









爽奈「だから…奈子じゃないの…？その長い黒髪の女の子って…」









姉ちゃんのいう奈子とは、幼なじみの細井奈子のことだ。









俺の幼なじみは３人いる。









一人は親が会社経営者のお嬢さまである、入野叶。









その女執事である細井奈子。









スポーツ万能な市原陽太。









こんな幼なじみに囲まれて、この春高２になった。








翔也「奈子なわけないだろ…奈子だったらもう既に気付いてるっての」








そう…とあまり興味なさそうに呟いた姉を尻目に壁に掛かった制服を掴み部屋を出て行った。