それから、毎週月曜日。
その日の零時になると、ふらりと男はやってきた。
青年、とも少年とも言い難い彼を、誰もが知りたがっているのに、当の本人は誰にも興味を示さない。
初回は、誰もが話しかける勇気がなかったようだが。
二度目の来店の際、何人かの女が、隅っこで酒を飲む彼と共に時間を過ごそうと、声を掛けた。
「ねぇねーぇ!あなたほんっとうにキレイな顔してるわぁ。」
「ごちそうするから、一杯だけ付き合って。」
集団で向かえば、怖くない。
と言う、心理の下にいる女達はきゃいきゃいとやかましい。
「名前だけでもいいから教えてー!」
その様子を、俺は少し離れた場所で、窺う。
見てないふりをしながら。
だが。
「えっ…」
彼の行動は呆気ないほどに、早かった。
彼女達等見えていないかのように立ち上がり、半分残ったグラスをそのままに、札を置いて、店から出て行ったのだ。
自分達の容姿に余程の自信があったのか、断られる訳がないとタカを括っていたらしい団体は、唖然とした表情で、その後ろ姿を見送る。
ー傑作だな。
俺は心底馬鹿にしながら、光によって煌めくカウンターに目を落とした。


