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夏になって、初の熱帯夜。
ルナで、シェイカーを振るっていた俺は、いつものように賑わうクラブ内で、ひたすら計画を練っていた。
オンブラの動きは、水面下にいるかの如く。
塵ひとつ漏れることはない。
何故なら、その全てが、俺の頭の中にしか入っていないから。
あとは、それぞれの配置の人間が、言われた通りに動けば良いだけのこと。
ほとんどの人間は、自分がどこの役割をしているのかを知らない。
同時に、誰がどこを受け持っているのかも知らない。
だから、万が一、捕まるような事があったとしても、何も吐けない。
だって、本当に、知らないから。
ーどうするかな。
冷房がガンガンに効く中で、俺はオンブラに招き入れたいポジションが新しく生まれたことに、頭を悩ませていた。
グラスに注がれる淡いピンク色の液体の中に、広がる靄。
「うわー、きれーい。」
それが自分の中にも、募るようで、一瞬目を逸らす。
ー零時か。
盛り上がり出した派手な選曲によって、時間帯を知ると、感嘆の声をあげた客に笑いかけた。
「ルナにようこそ。初めてなら、ぜひ楽しんで行ってね。」


