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深夜のノッテディルーナ。
客入りは上々。
「燈真、ちょっと…」
カウンターで、談笑していると、入り口に立っている俊哉が、困り顔で俺の所に来た。
俺だから、困っていると理解できるが、知らない人間が見たら、常に周囲に喧嘩売ってるような顔だ。
「何だよ。」
「なんか、俺は知らないけど、ルナの一員になったって言い張るガキが…」
直ぐにピンときた。
「あー、アイツ、マジで来たか。」
確実に来ると思っていたけど。
「じゃ、入れていいんだ。」
「いや、裏から。俺が行く。」
そう言って、俊哉の持ち場に向かった。
「あ!お疲れ様!」
堂々と入り口から顔を出した、昼間の少年は、俺の顔を見るなり、元気に手を上げて、へへへと笑う。
「お前…その口調なんとかなんないの。」
「えっ?んー、じゃ、どうすれば良い?」
「…いや、いいわ。」
説明するのも、教え込むのも、面倒だ。
俺は直ぐに撤回する。


