「何があったの。」
にっこりと微笑んで、咥えていた煙草を壁に押し付ける。
「あ、いや…あの、、」
「何きょどってんだよ。言ってやれよ。女取られたんだってよぉ」
「ばっ…」
隣から、思いっきり俺にガンを飛ばしてくる男が、あっさり状況を説明してくれる。
「お前は、黙ってろ!」
だが、当の本人は、どこか青い顔をして、仲間の口を塞いだ。
「それは興味深いね。けど、こないだ立ち入り禁止にしたのに、ここら辺に顔を出せる程の理由になるのかな。」
「い、いや…」
「聞こえなかった?お前の面、見たくないんだよね。」
「す、す、すいません…今から、、今直ぐ…いな、いなくなる…ので…ゆ、許し…」
ガタガタと震え始める男に、俺は笑みを絶やさずに首を振る。
「ダメ。」
後ろから、仲間達がやばそうだ、とヒソヒソ話すのが聞こえた。
「そう。俺、やばいから。君らも、一緒に餌食だね。」


