ニドト、
ココニハモドラナイ。
数ヶ月前。
出て行った時にすら、言わなかったのに。
やめるとしか。
今度は違う。
ルナにはもう、二度と。
帰ってこない。
空生は今、そう言った。
つまりそれは。
「ーあの女んトコにいくわけ?」
そういうことなんだろ。
ここを捨てて、あの女の所にいくってー
「……いや。」
意に反して、空生は首を振った。
後ろ姿のままで。
じゃあ。
お前はどこに居場所を見つけたの。
どこに、止まり木があったの。
今度はどこに行こうとしているの。
行くあてもない癖に。
そうまでして。
ルナから離れていくの。
それは。
誰が傷付くから?
なぁ、誰の為に?
また、誰かの為に犠牲になるの?
幼い頃そうだったように。
折角見つけた此処を捨てて。
次も見つからないのに。
でも。
どうしてか、空生の背中は、俺の目に、いつかのようには映らなかった。
ふらふら、と、たった一人で彷徨っていたあの時みたいではなくて。
足取りはしっかりとしていて。
そうか。
今度は、いつもと違う。
自分の意思で、あの女を守ったのか。
だから、目に見えなくとも。
お前は持ってるのか。
自分の、、、誇れる場所を。
だから、此処を出て行けるのか。


