閉ざされた戸を前に。
ー執着。
俺の頭には、そのニ文字が浮かんでいた。
父親譲りの一重以外。
俺と葉月は、似ているようで似ていない。
俺の笑ったように見える顔付きは、葉月の中にはない。
性格も真逆とは言わないが、同じ方向は向いていないと思う。
ただ、ひとつだけ。
俺が、葉月と一番似ていると思う部分は。
「大丈夫。」
異常な位の執着心だ。
特に、空生に対して。
「きっと …零は、帰ってくるよ。」
あの家には、きっと一人じゃいられない。
空生は利口だから、直ぐにそれを理解する。
それに。
俺は、お前を逃がさない。
そう、思うのは。
その、理由は。
やっぱり、俺には分からない。
ただ、手放したくない。
お前の一番の理解者は、俺だ。


