「…なんでここにいんの。崇にしては、早過ぎない?」
目が慣れる様に、瞼を閉じつつ問えば。
「これから寝るんだよ」
と、後者にだけ答える崇。
空生が居なくなった時、崇も居なくなっていたから、もしかしたら、直前まで二人でいたのかもしれない。
「俺が居ないって葉月から連絡でもきたの?」
やっと消えたチカチカ。
瞼を開けば、崇はいつかー
「…なんだよ、その顔」
いつかも、見た事のある表情で、俺を見ていた。
「俺がなんとなく、燈真がここにいるんじゃないかなって思っただけ。」
「そういうの、やめろよ」
チリチリ、苛々する。
「お前のそういう所、吐き気がする程、うざったい。」
崇の顔は、もう見ない。
立ち尽くしたままの崇の脇を通り過ぎ、駐車場へと向かう。
お節介過ぎる、崇の気遣い。
可哀想なものでも見る様な目つきー俺を哀れんでいるかのように。
ーかわいそう
歩く音と混じる、あの忌々しい女の声が、耳障りだ。
雑音だ。
チリチリ、ジリジリ、イライラする。


