在庫の確認だけして、二階へ上がり、スタッフルームのソファに身を投げ出す。
大丈夫、大丈夫。
大丈夫だ。
仰向けになりながら、視線をどこに向けるでもなく、俺はただ言い聞かせていた。
大丈夫さ。
空生は、相手が誰だろうが、自分の中に入るのを拒む。
だからきっとーいや確実に大丈夫。
煙草を吸う気も失せて、微睡み始めた頃。
夢か現か。
階段を強く駆け上がる音が、静寂を突き破った。
自然と下がっていた瞼を持ち上げたくはなかったが。
「お兄ちゃん!!!」
ノックもなく、力一杯開けられたドアの向こうに立っていたのは、紛れもなく、俺の妹。
俺の目が閉じていようがなんだろうが、お構いなしに、ズンズンと部屋の中に入ってくる。
ー今度は、なんなんだ…どうせ…
「ねぇ、零が!」
脱力。
やはりそんなことだろうと思っていた。
寝たふりをしよう。


