カノンの言うことに、どうしてここまで過敏になっているのかわからないけど。
直ぐそこでー
空生、が。
カノンを捕まえたのか。
ただそれだけの事が、何故か無性に気に入らない。
いや、違う。
何がって。
目の前で、俺や零の話よりも、並べられてる料理に気を取られてる女の態度がー
「へえ、そうなんだ…?俺興味あるんだよね。零は今までどんなことがあろうと、自分の実名を教えたりしなかったしそれに…」
「それに?」
どこか、余裕があるように見えるから、気に喰わないんだ。
「自分のターゲットだろうが、誰だろうが、崇に靡いた女をわざわざ取り戻すなんてことは、一回も見たことがないよ。多分…崇もね。」
「…?それって…?」
お前は特別なんかじゃないから。
「だから、他の男に行った時点で、零はアウトなんだよ。どんな理由でも、どんな状態でも。別に最初から好きでもなんでもないんだけど、他に行ったらアウト。ターゲットでもなんでもなくなる。赤の他人。」
特別何かある女じゃない。
なのに。
「潔癖、っていうのかな。触りたくもないっていうか…興味が失せるんだよね。なのに、カノンちゃんに限っては、初めてクラブに来た夜、崇を止めてる。崇が驚くのも無理はなかったんだよ。」
何が、今までと違ったんだよ?空生。
こんな女の、どこが。


