Live as if you will die tomorrow








「お疲れ。」


「あ!オーナー!」


店に着くと、店長が直ぐに出迎えにきて、奥の厨房へと促した。


「や、いい。これから混む時間帯だろ、俺がいたら邪魔になるから。1人席に持ってきてくれる?」


店長が頷くのを見てから、開店少し前の店内を見回し、席に着く。



オープンは11:00から。


予約客もあるし、並んでる人も幾らか。

ビジネス街にあるこの店は、平日に混む。

だから、いつもよりは空いている方だ。


メディアの露出は避けているし、客にもメニューや店内、料理の写真撮影は遠慮してもらっている。


なのに、だ。



ーこんなに知られる店になるつもりはなかったんだけどな。





当初の予定との違いに苦笑しつつ、試作品が運ばれてくるまで、と鞄から一冊、本を取り出し、開いた。