「なんかって何?!ちょっと!寝ないでよ!!まだ話してるんだから!」
面倒臭い。
背中をぐいぐい引っ張るこの女。
本気で手が掛かる。
どうにかできないかな、と考えて、はたと思い当たる。
「俺は知らないけど、崇なら知ってるかも……」
「ホント??崇ね?」
背中越しに一気に明るくなった葉月の声。
「うん…多分…ね…」
呟いた時には、既にドアがパタンと閉まる音が響いていた。
「ー馬鹿だなぁ。葉月。」
五月蝿い葉月を追い出せた事に、深い達成感を味わいながら、俺はあっという間に眠りに落ちていきながら。
空生は、この先ずっと誰かに依存するなんてことはないから。
葉月もずっと追いかけ続けることになるのかな、と。
そしたら皆ずっと一緒で。
それもいい、と思った。


