日曜日。
目覚めは最悪だった。
何故ってー
「お兄ちゃん!なんで零は来ないの?!なんで私の電話に出ないの?!」
寝たのは朝の5時過ぎ。
「金曜は絶対来てねって言ったのに来なかったし!今日は?私と一緒に映画観に行ってくれるって約束したのに!!!ねぇねぇねぇ!お兄ちゃんからも言ってよ、なんとかしてよ!」
手の掛かる妹が、俺の寝室に来て、喚いている今はー
ベッド傍に置いてあるデジタル時計の表示を確認すると、身体の重さが増した。
7時23分。
「……葉月、零は気紛れなんだから……しょうがない……いつものことだろ。」
全くと言っていいほど回らない頭。
これだけ言うので精一杯だ。
しかし。
「やだー、そんなのやだぁ。折角楽しみにしてて、新しい服も買って、昨日の夜ドライヤーも念入りにしたのに!」
うちのお姫様は諦めてくれない。
「んなこと言ったって…俺からの電話にだって出ないんだから、なんかあったのかもよ。」
眠い。眠過ぎる。
俺はまだ寝るんだという意思表示の為に、葉月に背を向ける。


