季節は巡り、秋に冬が寄りかかる頃。
「なぁなぁー!見せたいものって何?」
「……。」
気怠そうに、俺の後ろを付いてくる、野郎二人。
「なんか良いもの?俺が喜びそうなもの?」
「……。」
もとい、気怠そうなのは一人だけで、もう片方は、はしゃいでいる。
「直ぐだから黙って付いて来いよ。」
ビジネス街のここら辺は、崇みたいな赤髪は目立つ。
こんな風にでかい声で喋っていれば尚の事。
「もったいぶるねぇーー」
窘めれば、へへへっと笑う崇に対して、空生は、我関せずと言うようにそっぽを向いている。
そんな対称的な2人を振り返って確かめ、吐きたくなった溜息を堪え、再び前に向き直れば。
数分も経たずして、目的地は、目の前にあった。
「コレ」
それを親指で示すと、二人は首を傾げる。
「何、燈真、家でも買ったの?」
もとい、首を傾げたのも、片方だけだ。


