Live as if you will die tomorrow

DJが交代して、曲調が変化し、ノリの良い音楽がヒートアップしていくのに比例して、ライトの色も変化して、空生の白金の髪色を染めていく。



「人違いじゃない?」



俺はそんな空生に、首を傾げて見せた。



地名を聞いても、ピンとこなかったし、そもそも横濱なんかにそんな知り合いいただろうか。


しかも、女。



「そんな風には見えなかったけどね。」



だが、空生は確信めいた物言いをする。




「なんだよ、それ。そんなに信用出来る情報持ってたのかよ、その女。」



思わず苦笑しながら、言って、失敗したなと思ったのは、数秒後。



「葉月のことも言ってた。なんか、暇を見つけては、色んなクラブ巡って捜してるらしい。ショートの女。」



カチャン



曲が一番盛り上がった時で、良かった。

周囲の気が逸らされずに済んで。

動揺が、崇なんかにバレなくて。





「ーシカトしといたけど。」




空生は、グラスを落とした俺に、気づいていたに違いないと思う。

だが、再び俺に背を向け、今度こそクラブから出て行った。