>>桜庭日向side 「キスしてよ」 俺の言葉に、まるで真空に突如放たれたかのようにピタッととまる俺の幼馴染、I(アイ)。 …ぷっ、なんて顔だ。 カピバラじゃん。かわい。 「嫌なの?」 びっくりして目をパチクリさせる色香に返事を催促する俺。 だって早くしてくれないとアイツら来るじゃん。 「そ、そんなこと言ったって…」 色香は、我に返ったようにパッと俺から目をそらして泳がせる。 「へ、変だよ日向…」