いやでも…


私が戸惑っていると、またポンポンッと布団を叩く日向。

可愛らしくて、思わず「もう、何?」と笑いながらそこにぺたん、と座った。



すると日向は、じっと私をみた。


「ど、どうしたの?」


そんなまじまじと真正面から見られると恥ずかしいんですけど…

ついでに自分が学校1の美形だという事も念頭においてほしい。


幼馴染だとはいえ、こんなに綺麗な可愛い顔の男の子に見つめられるとドキドキするものだ。



「色香にしてもらわなきゃならないことがある」


日向はきわめて重要そうに、そう切り出した。


「それはそれは、深刻なこと。」


目を細めて、声を潜めて、そういう日向は子供みたいで笑っちゃう。



「なに?」

私が半笑いでそう聞くと、



「テスト勉強のお返し」

と、日向は人差し指を立てていった。