「恋愛の掟!


デートの時は、いい香りのするぷるぷるのリップをしていくこと!」


「な、なんで?」


愛里の迫力に圧倒されて、私は座っていた椅子を後ろに引いた。



「もちろん、それはキスするためだよ!

しかも、いーちゃんの唇が美味しいって言って


2回してもらえるかもだし!」



唇が美味しいってなに!?何事!?



「キスなんてまだ早いし、関係ないもん。」


「ダメダメ!そんなんじゃだめぇ!」




「ふんっ。私たちは私たちのペースでいくのー。邪魔しないでくださいー。」



「そんなこと言って、悩んだら愛里に相談してくるのはいーちゃんのくせに!!」



「そーだっけ?忘れた」



「もー!いーちゃんのばかぁ!」


「はーいはい、バカで結構」


「嘘だよぉ〜!いーちゃん、今の傷ついた!?

ごめんねっ、ごめんねっ、

愛里、本当はそんなこと思ってないよ!

いーちゃんがバカだなんて思ってないからねっ」



「分かったからその手を離して。」



「は、はいっ、離したっ。

ねぇ怒ってない?」


「怒ってないよ」


「ほんと?」

「ほんと」

「ほんとにほんと?」

「ほんとにほんと」

「ほんとにほんとにほん…__」



「いい加減にしろぉぉぉ!!もう本当とか嘘とかどうでもいいわぁぁぁ!」


「ひぃぃっ!!

やっぱいーちゃん怒ってるよぉ〜!
どうしよう、どうしよう…っ」