来海は着替えてリビングに待っていた。すると、海斗が出かける準備を終えてリビングに来た。
「行くべ!!」
海斗の声に、来海は嬉しそうな顔をして、走って玄関へ行った。車で移動すること5分。アウトレットについた。海斗は、来海をスーツが売っている婦人服売場へ連れて行った。
「いらっしゃいませ。御希望のものがありましたら、お伺いします。」
店員が海斗と来海のところへ、近寄った。
「この子にスーツを。一式。」
海斗は、来海の背中を押す。来海は、店員に奥まで案内した。来海が店員にあれこれ勧められている間、海斗はフラフラと店内を徘徊していた。
「お客様‥」
海斗が顔を見上げると、先ほどの定員の後ろにスーツ姿の来海がいた。来海の細い体を強調するようなピシッとしたスーツだった。海斗は、目を離さず、瞬きを百回くらいした。
「お似合いですよね~!!」
定員が来海を褒め讃える。来海は、海斗の元に行き、
「私、スーツなんかいらないよ」
と定員に聞こえないように言った。海斗は、来海の顔の高さまで腰を屈めた。
「就職、するんだろ?」
海斗は、笑顔で言った。海斗は定員の元にいく。
「いま試着しているやつと、靴買うんでお会計お願いします。」
定員と海斗はレジの方へと行ってしまった。