抜き差しならない社長の事情 【完】



「二度と恋はしないって決めているんです――」


「またそれか……

 一体なにがあったんだ?」



「課長…… ウソでもいいんです。
売れ残ったら、私をお嫁にするって言ってください」


 ヒック ヒック


「え? 愛はなくても結婚はしたいのか?」


「私なんて、迷惑にしかならないから、イヤですか?」


 ヒック ヒック


「――紫月?


わかったわかった。 売れの残ったら嫁にしてやるよ」


「ほんとう――ですかぁ?」


「嘘でいいって言っただろう?」


「もぉー 課長ったらぁ――」


 クスッ


「なんだよ、今度は泣きながら笑うのか」


 クスッ  ヒック