抜き差しならない社長の事情 【完】


「課長……
『Kg』ってIT関係なんですよね?
 私、行ってすぐにクビになっちゃうかも……」

いつもならとりあえずは前向きな姿勢を見せる紫月が、
いつになく不安気に瞼を伏せる。

その様子を見た相原は、クスッと笑った。

「安心しろ、
 新しいところにお前が慣れるまでは、しっかり見届けてやるから」


「本当ですね? 絶対ですよ」


クスクスと笑いながら、チラリと見上げた相原の横顔は、
いつもより数段頼もしく見えて
紫月はふと思った。


――課長はいつまで独身でいるつもりなんだろう?