しばらくして場の雰囲気にもなれた紫月は、
今日の一番の楽しみとばかりに
ツツツとビュッフェに近づいて料理を取ろうとすると……
「君、これおかわり」
と、声を掛けられた。
ん? と振り返れば、鼻を赤くした客の男性が
「なんだよ、コンパニオンだろ」と、言う。
「い…… いえ 私は」
酔っ払いのオヤジは、
着物なんか着てるのはコンパニオンしかいないとか何とか絡み始めた。
相手が会社にとって大切な客ならあまり失礼な断り方をしてはいけない。
困り果てて相原課長を探したが、
見つけたもの見えたのは客と話し込んでいる後ろ姿だ。
他に誰か……と戸惑いながら助けを求めて見渡すと、
切野社長と目が合った。
――蒼太!助けて
そう心の中で叫んでみたが…… 社長はフッと目を逸らした。
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