抜き差しならない社長の事情 【完】


「紫月、見直したよ まじで」

「うふふ 言ったでしょ、惚れちゃだめですよ」

 クスクス


「課長も素敵ですよ、ポケットチーフ」


「よく言うよ」

 クスクス

「ねぇ課長、
 この中におススメの素敵な人いませんかね」


「ん? 俺以外だと そーだなぁ…… 社長とかどうだ?」

「どこの社長ですか?」

キョロキョロと見回す紫月に、相原は笑って呆れたように言った。

「何言ってんだよ
 うちの社長だよ 切野社長」

「は?
 何言ってんですか。
 見る目ないなぁー あれはダメですよ、性格悪そうだし」


「アハハ 随分厳しいな。
 だって……」

と、話の途中だというのに、紫月は
「あ、保科さんだ」 と、小さく手を振りながら歩いて行ってしまった。