「……」
「?」
切野蒼太の瞳が一瞬見開かれた気がして、
その原因を探るべく神田翔は振り返った。
理由はわからなかったが、
その方向はパーティ会場の入り口で、ちょうどそこに着物を着た美しい女性が現れた。
よく見ればそれはハッピー印刷から来た夢野紫月に違いなく、
その証拠に同じくハッピー印刷から来た相原が彼女に向かって歩いて行った。
それにしても綺麗だな……
神田はしみじみと夢野紫月を見つめた。
こうして遠慮なく見れる理由は、
会場内の無数の目が自分と同じように夢野紫月を見つめているからだ。
歩き方も仕草も、
夢野紫月は明らかに着物を着慣れているとわかる。
「彼女、ほんと美人だよな。もしかしたらどこかのお嬢さまなのかな」
そう蒼太に言ったつもりが返事がない。
振り返るとそこには蒼太はいなかった。
「なんだよ……いねぇーし」



