クスクス笑いながら、紫月は思った。
相原課長が近くにいてくれる限り、
どんなに強い濁流にのみ込まれそうになっても踏ん張れる気がする……。
思えばいつだってそうだった。
知ってか知らずか、どうしようもなく辛い時に、
相原はたわいもない会話で、
温かくて深い懐に包み込んでくれる。
紫月は相原のことを尊敬し、心から好きだった。
その気持ちは恋愛感情とは少し違っていて、
というよりも恋愛という名では汚したくないと思っていたし、
恋愛のように終わせたくはないと思っている。
相原は兄であり、師匠のような存在なのだ。
「そういえば紫月、パーティ、着る物あるのか?」
「あ、そういえば明日ですね」
明日夕方六時から、近くのホテルでここ『Kg』の設立記念パーティがある。



