抜き差しならない社長の事情 【完】


「蒼太っ?

 え?『Kg』って蒼太の会社だったの?」


紫月の報告を聞いて、亜沙美も絶句した。


「そうだよ!最悪!

 あいつ何て言ったと思う?

 落ちぶれたもんだな だよ?!


 ひどくない??」 



怒りながら山ほど買ってきた発泡酒の一本を手に取って、

紫月は眉を顰めながらプシュっと開けた。



「くたばれっ! アホ」




まだ三本目だけれども、

お酒に弱い紫月が酔いつぶれるのには十分な量である。



「蒼太のバカヤロー」



遠吠えのようにそう叫んで、紫月はこたつにパタッと突っ伏した。