「どうした紫月?」 机を叩いた音に驚いて隣のパーテーションから相原課長が顔を出した。 「あ、いえいえいえいえ 虫です なんか虫がいて あはは」 『私はや・め・ま・せ・ん 夢野』 そうですとも! 絶対に、絶対に辞めるもんですかっ! 時計が6時を指したと同時に会社を出た紫月は、 5階の社長室をキッと睨んで見上げた。 ブラインドが下りているので社長の姿が見えるわけではなかったが 腹の虫が収まらない。