抜き差しならない社長の事情 【完】


「……」

ショックのあまり息をすることも忘れたのか

しばらくして息苦しさのあまり、紫月は我に返った。


 ハァハァハァ……



随分変わったな? え??



何がどう変わったというのか!



この言葉が意味するものは、決して好意的なものではないということだけは
混乱している紫月にも理解できた。




蒼太と付き合っていた頃の紫月は、
全身をブランド物で飾っていた。


それはブランドを好むというよりも、

『銀座に店を構える歴史ある呉服屋の娘が、
 みっともない格好をしてはいけません』

という母の教えに従っていただけのことだが、

理由はどうあれ、そうだった。