抜き差しならない社長の事情 【完】


それから、神田専務にハッピー印刷ではどんな仕事をしていたかなどの質問をされつつ、

今後の業務についての説明を受けた。


雇用する条件についてや、ざっくりとしたKgの業務内容、
それらは全て神田専務の口から聞かされた。


その間、切野社長はどうしていたかというと、

彼はただ黙って履歴書を見つめていただけだった。



30分後には社長室を出て、

用意されていた3階の席へと案内された。


「何かわからないことがあれば、
 秘書の元木か、総務のものに聞いてください」

「はい わかりました」

「では よろしく」

「よろしくお願いします」


神田専務は、ニッコリと微笑んでその場を離れると、
近くにいた社員に声をかけ親しげに話をしている。



紫月はへたり込むようにして、

 自分に宛がわれた席に腰を落とした。