抜き差しならない社長の事情 【完】


ゴクリと息を飲んだ紫月は、

名刺に視線を落とし、

また目の前にいる社長に視線を戻した。



あまりのショックに茫然自失して声も出せず……


「夢野、履歴書」

相原に、そう声をかけられて、

「あっ」


慌ててバッグから履歴書を取り出して、社長の前に差し出した。


「ゆ、夢野紫月です――

 よろしく お願いします……」