そして彼らはどうみても若い。
ジーンズを履いていたり、ラフな服装をしているせいかもしれないが
皆が20代のようにも見える。
これから会うKgの社長は、自分と同じ30歳であることを考えれば当然かもしれないが、
どうせならまだ20代である1年前にここに来たかったと、
自分でも訳のわからないことを考えた。
なんにしても
――ハァ……
と、深いため息しか出ない。
クックック
「さっきから溜め息ばっかだなぁ。
大丈夫だって、俺だっているんだから」
紫月の気持ちを見透かすように相原が笑う。
「課長ー お願いです
私より先には絶対辞めないでくださいね!
どんな仕事でも私、がんばりますからっ」
「はいはい ってか、
お前ここのこと調べてないのか?」
「……はい どんなところでも、やるしかないし」
「しょーがねぇなぁ」
――だって……
IT企業で検索したりしたら、
間違って〈彼〉のことが何かわかっちゃうかもしれないし……
と、紫月は心の中でそう言い訳をした。
彼……
7年前別れた恋人――
『私、お金のない人とは結婚できないの。
わかるでしょ?
百年続く呉服屋の一人娘なのよ、私は』
あの日の事は昨日のことのように鮮明に覚えている。
そう冷たく言い放った時……、
〈彼〉の綺麗な瞳から光が消えた……
まるで見えない幕が、下りたように――――。



