道行く男は必ずと言っていいほど、曄を視線で追いかける。 酔っている男はなおさらで、 ふらつく足を止め、舌舐めずりする不届きな者さえいた。 それが誇らしいのか不愉快なのか、 何かを確かめるように曄を振り返った神田は 「曄、寒くない?」と聞いた。 「うん、大丈夫」とニッコリ微笑んだ曄は、 それでも寒そうに神田の腕に手をまわす。 「でも、心が寒い 道行く女の子がみんな専務のこと見てるんだもん」