抜き差しならない社長の事情 【完】



そして週末、


夜明けと共に目が覚めた紫月は、
早々に荷造りをして少し贅沢だと思ったがタクシーに乗った。


駅へと向かい――


電車を乗り継いで、

  ガタゴトと揺れる車両に身を任せ



住宅地から

 少しづつ、田園風景に変わって行く景色を見つめながら――


相原が言ってくれた言葉を思い出していた。


『お前は不器用だから、慣れない環境に疲れたんだよ。
引っ越しもしたんじゃ疲れて当然だ
親に甘えて、ゆっくりしてこい』


課長……


『紫月、よく頑張ったもんな』


 私、もういいんですよね、


『俺が許す、逃げろ紫月』



  頑張らなくっても、いいですよね――