抜き差しならない社長の事情 【完】




  ***




週末、紫月は亜沙美と一緒に早速マンションを訪ねて部屋を見ることにした。


預かっていた鍵を開け、
はじめは薄暗くてよくわからなかったが……


 ガラッ


窓を開けてみると、


花柄の明るいカーテンが揺れて


「! ……」


「すごい!」


部屋には女性らしい、オフホワイトの家具が整然と並んでいた。



「ほんとに?
ここ、本当にタダでいいの???」


「あっ…… うんうん。
なんかね、財テクの為に買っておいたマンションで、妹が住む予定だったんだけど妹が海外に行ったとかなんとか……

まあ、とにかく、人が住まないと痛んじゃうとかなんとかで」



――蒼太、紫月のこと……頼んだよ

と思いながら、揃い過ぎる家具に、亜沙美は苦笑するしかなかった。


 いくらなんでもやり過ぎだって