抜き差しならない社長の事情 【完】


「いいんだよ……

そんなこといいんだよ」



自分が一番辛い時期を一緒に過ごした親友だ。


一緒にいてくれるだけでどれほど心強かったか……

そんな亜沙美の結婚の報告を先延ばしにさせてしまった自分が

情けなくて涙がでた。



「おめでとう、亜沙美……」


「紫月…… やだ泣かないでよ」


「だって、うれしいよ、亜沙美の幸せだもん」


うれしくても涙が出た。

喜びも悲しみも、寂しさも全て涙になって紫月の心から溢れた。


亜沙美は亜沙美で、胸が一杯で……


 しまいに二人は、泣きながら笑った。



「アハハ 歳かな、最近涙もろくて」


「あはは やだー まだ30じゃん あはは」