抜き差しならない社長の事情 【完】


そうこうするうち、一人の若い女性が入り口に現れ……

 !

「亜沙美!」


切野社長が車から飛び出して、向かった先にいるのは――


「!……蒼太」


紫月のルームメイト亜沙美だった。


「何しに来たのよ」

「亜沙美に…」

 バシッ

蒼太がそう言うやいなや、亜沙美の平手打ちが飛んだ。

 !


「蒼太、あんたね、一体どこまで紫月を泣かせたら気が済むの!?。

いくらなんでもひどいじゃない!」


「……いや、あの」


「あんたと別れてから、紫月がどれだけ辛い想いをしてがんばって来たか、あんた知ってる?
毎日毎日遅くまで勉強して、何の苦労も知らずにいた紫月が……
一生懸命がんばって……

 どれだけ苦労したか――

知る訳ないわよね、

そうよ、知らないから紫月にヒドイ仕打ちが出来るんでしょうよ、

大体ね!あの時だって

――  まぁいいわ、

あんたの会社に入ってから紫月は毎日のように泣いてるの! 知ってる???

とにかく今度紫月を泣かせたら、私がただじゃおかないからね!」