抜き差しならない社長の事情 【完】




ポン、とパソコンが軽い音を立てた。


ポップアップメッセージには元木曄の名前だ。


開封ボタンを押すと……


『ちゃんと見ましたか? 中身  曄』


『見た!

 見たよ曄ちゃん ごめん気づくのが遅くて 神田』



『でも専務は紫月さんのことが好きなんですもんね あきらめます 曄』



バシッっと机を叩いた神田は、

慌てて部屋を飛び出して、曄の元へ行った。




「曄ちゃん、今夜、食事でもどう?」


「どうしようかなぁー」


「ごめん、本当にごめん、マジで誤解してた」


 クスクス


「しょーがないなぁー

 その代り、フレンチのフルコースでよろしくです」


 クスクス


「了解」

 クスクス