抜き差しならない社長の事情 【完】


「曄ちゃん……」


神田は慌てて自分の執務室に戻ると、

急いで曄からのチョコレートの包みを探した。


社内の女性たちからもらったチョコレートの山を前にして、

曄が『これは私から、専務に特別ですよぉ』と言って、

真っ赤な紙袋を置いたことを思い出し……



――あったあった



慌てて中の包みを取り出して箱を開けてみると、


大きなハートの形のチョコレートが一枚あって
そこにはピンクの文字で LOVE と描かれていた。



「え?!」