抜き差しならない社長の事情 【完】


「紫月、
 男がいなくて、寂しくないのか?」


「寂しくありませんよ 
 ルームシェアをしている友達もいるし」


次の言葉はわかっている。



「寂しかったら いつでも抱いてやるぞ」

相原の口癖だ。

「またぁー Kgでそんなこと言っちゃダメですよ」


クスッと笑いながら指先で軽く撫でた顎には、
絶妙な匙加減の無精ひげ。


なにやら色っぽい。


――その甘い口元は、
 何人の女性を泣かせたのだろう?




パリッと糊のきいたシャツが真っ白だからだろうか、
時折感じるコロンの香りが、やけに爽やかなせいだろうか、


同じ仕草をしてもだらしなく見える人がいる一方で、
相原の首元からは、
大人の男の色気ばかりが零れてくる。


「どこに行ったって俺は俺だ。セクハラしまくるぞ」


「またぁーそんなことばっかりぃ」


 クスクス