嫉妬のかたまり

北山side


「なぁ、どう思う?」
今は、俺の家で二人して飲んでる真っ最中。
大倉がなんかメンバーの話してるけど、
俺には何一つ入ってこない。わりーな。
考えてんのは藤ヶ谷のこと。
いつだってそう。考えずにはいられない。
「おーい? 北山?」
「………え? あ、うん、いーと思うよ…」
「…あの、あからさまに元気ないのやめて?」
「あっ、ごめん。」
あーあ、大倉にまで迷惑と心配かけちゃった。
もう最悪。
「あのさ、俺力になれるかわかんないけど、
 何かあったら、話は聞くからな?」
はぁ。本当にこういうとき、
コイツと友達になってよかったと思う。
ほんと大好き。
「う、あっ、大倉っ!がぁーっ、大好きっ!」
そう言ってぎゅーっと抱きついた。
「わ、わかった!聞くから、だぁー離せー!」
しぶしぶ離れて、俺の話を聞いてもらった。
俺の藤ヶ谷への気持ちと、
今までにあったこと全て包み隠さず話した。
いや、大倉だから、話せた。
「そーか。今まで大変だったな。頑張った。」
そう思ってまた頭をポンポンと撫でてくれた。
これ、気持ちい。好き。なんか犬になって、
よく出来たねーって褒められてるみたい。
大倉の彼女は幸せ者だ。
「んふふ、でしょー?♡」
「………あんま可愛い反応すんなよ///」
「別に………」
してないし。
「まあいいや。んで?どーすんの?」
……………………………………………………………………え?
お、俺は藤ヶ谷のことが好き…………
だから………?。えっ、どうしよ………?
「ど、どどうすんだろ…………」
「まずは気持ち伝えれば?」
「へっ、で、でもっ。」
もし……
「俺とは違う気持ちだったら?」
考えたくもないけど。
「そんときは…………俺んとこ来れば?」
……………………………………………………………………ん?
「や、冗談は………っ?!」
わっ、めっちゃ近いんだけど。
「いつでも慰めてやるし、
 お望みならあんなことやこんなことも……」
そう言って、つーッと首筋をなぞられる。
いつもと違う、男らしい大倉に、
思わず、ぞくぞくっと、してしまった俺……。
「ははっ、やっぱ可愛いな………」
と、大倉は切なそうに言った。
なんで………もっと笑いとばせよ……っ
「…………お、大倉?」
「ん? あぁ。ごめん。笑」
てか、さっきのこと今更思い返して……
さっき大倉に触られたところが熱くて……
思わず、無意識に、ばッと首筋を抑えた。
「…なに? 今更思い出してんの?(ニヤ)」
「べ、別に………~~~~~っ!」
じーっと見つめられて反抗できない俺。
うぅ。なんだ、この、
どうにもこうにもしようがない悔しさ……っ。
うぅ。…………同い年のくせにーっ!
「からかうなぁっ!」
俺は、大倉に覆いかぶさった。
「わ、ちょっ、北山っ、」
…………後先考えずに。
ードサー
「…………藤ヶ谷が大胆なのは知ってたけど、
 お前もだったとはねー?(ニヤ)」
「……………///」
うぅ。……………………あとで覚えとけよ……っ。
大倉は、俺ごと起き上がると、
「まあ、藤ヶ谷を襲うには、見た限り、
 体験してみた限り?、まだまだだな。」
って言ってきた。
「なっ、………うーっ。」
「よし!今日は飲むぞーっ!
 そんで、藤ヶ谷に思い伝えれっ!」
「はぁ? んだよそれーっ。笑」
そしてそのまま俺は、
今までにないくらい酒飲んで、
あとは……………覚えてない。