嫉妬のかたまり

藤ヶ谷side


「ねぇわた。」
「だからさっきっからなに(笑)」 
「どーしよーっ!」
「だから大事なとこ抜けてる。」
今は、北山から逃げてきて、
逃げてきて?避けてきて?もうわかんないっ!
「北山のことすきだけど…」
「ど?」
「どうすればいいかわかんないんだもん…」
「気持ち伝えればいいじゃん。」
「なんて?」
「好き。って。」
「伝えるのは簡単だけど………」
伝えるのはいい。俺もそうしたい。
できれば一刻も早く。でも………
「断られるのが怖い。」
「そんなこと言ってたら
 告白って言葉できてないよ。」
そうだけど…………
「それに…、きっとミツも好きだよ。」
……………………………………………………………………ん?
「ごめんわた、もっかい。」 
「だから、ミツも多分好きだよって。」
「何を?」
「あら………
 太輔いつからこんな鈍感になったの?」
「いや………」
本当に大切な人ってなると
何もわかんなくて…。情けねぇな俺。
「……両思いだよ、お前らは。」
そう言われた瞬間、ボロっと涙が出て……。
「北山んとこ行かなきゃ……………!」
そう思わずにはいられなかった。
「あ、待てっ、太輔っっ!!」