嫉妬のかたまり

北山side


ううぅ。
なんで…なんでぇ…………。
ふじっ、がやっ、、うっ。
トボトボ歩いていると、
誰かが声をかけてきた。
「ん? 北山? どした、そんな下向いて。」
「へっ、ふ、じ、がや…?」
呟いて上を向くと、
ニヒヒ、と笑う大倉がいた。
「はは、ごめんな、藤ヶ谷じゃなくて。」
大倉でも十分だと伝えるために
ぶるぶると横に首を振る。
「今日、ここで撮影だったんだな。」
こくん。
「同じなら言ってくれればよかったのに。」
「ごめん。」
「ふふっ。撮影、終わったか?」
「………おわった。」
「そっか。じゃ、帰る準備してこい。」
「…………へっ。い、いいよっ!?」
「無理すんなって、ほら早く。」
大阪の人の有無を言わせない感じに負けて…
「わかった。」
結局一緒に帰ることに。
「よし。」
そう言って頭をポンポンと撫でてくれた。