「まず、幾つかの質問をさせてもらうね。でも、答えたくないことは答えなくてもいいから」
そう言ってペンと紙を持った下谷先生は私に色々な質問を始めた。
住んでいた場所やどうやって学園について知ったのか、また親のことも。
私はできるだけ嘘のないように答えた。
調べられて嘘だってバレては面倒だし。
「じゃ、最後ね。宮園さんの能力は何かな?」
「.......基本的なテレポートやテレパシー、読心術などの魔法は使えます。それに加えて、重力と力を無効にする無効化があります」
本当はもっとあるんだけどここでは内緒。
もう少し時間が経ってからでいいや。
「沢山使えるんだねぇ」
笑いながらメモを取る先生。
「先生だって魔法はほとんど使えますよね?しかも、攻撃系の魔法は特に。先生なんてやめて軍隊入った方がいいんじゃないですか?」
ペンを動かす手が止まる。
「なんでそう思うのかな?」
先生は笑顔で聞いてくる。
内心はきっと笑っていない。
「何となくですよ。私、勘が鋭いんでそうかなーって思っただけですよ」
冗談ですよ、と付け加える。
実際、一目見ると相手が魔法や超能力が使えるかわかる。
どんな能力なのか何が得意なのかも見えてくる体質なのだ。
「宮園さん面白い子だね」
また笑ってペンを動かし始めた先生。
その笑顔は妖艷と言う言葉がにあっていた。
