「お母さん……、ぶぇ、え、う……」
《ふふ……柚花ったら、泣き虫さんね》
「だ、だって……」
駄々っ子のようなわたしをみて、
お母さんの両手は、最後の力で、
わたしの両手を包み込んだ。
《柚花、柚花は優しい子。
泣き虫さんなのは人のことを想っているから。思いやりの心をもってる。》
やめてよ、お別れの言葉なんて。
お母さんは死なないんでしょ?
前に言ったじゃん、
《お母さん、おばぁちゃんになって孫の顔みるまで絶対死なない》って。
ねぇ、そんなこと、言わないで?
ねぇ、誰か、嘘だって、言ってよ……!

