ただ、キミの手を


委員会はスムーズに進んでいき、三役が決まった。

3年生は受験を控えてるから、みんな2年生。




「それでは、時間をとるので各学年の代表者1人を決めてください。」


三役で委員長になった2年生の女子生徒が話を進めていく。



指示通り学年ごとに机に集まる。




代表者か……、誰がやるんだろう。
もちろんわたしはやらないよ?


さすがに代表はね。


こうゆうのを率先してやる人、1人くらいいるよね。




「誰かやりたい人、いますか?」

さっきの1-Aの爽やかな男の子。




「学年代表はな~」

「文化祭当日、挨拶あるらしいよ」



学年代表は荷が重いらしく、誰も立候補する様子がない。



隣の桐島くんにやらないのかたずねてみる。


あんなにやる気満々だったし、立候補すると思ったんだけど。



「んん~、俺はパスかな。」

渋い表情で笑う桐島くん。



「あの委員長、苦手なんだよね。」


へぇ~、桐島くんも苦手な人とかいるんだ。意外だな。


そうだよね。
いくら桐島くんでも苦手な人くらいいるよね。





「誰もいない?」

爽やか男子がみんなに問いかける。


みんなが渋い顔をする。
遠慮しているわけではなさそう。


みんなわたしみたいに雰囲気に流されちゃったのかな。



ああ、学年代表は放課後に残ることとかが多くなっちゃうのかな。


大体の生徒が部活に入ってるこの高校。

みんな部活に行きたいのか。




その反応をみて爽やか男子が提案する。


「誰もいないみたいだし、俺がやってもいいかな。」



さっきまで何となく仕切ってたし、いいんじゃないかな。

みんなも同感なのか、賛成の声が上がる。



「いいと思います。」

「晴、任せた!」

「晴くんなら安心だね。」



“晴”と呼ばれたのは爽やか男子。

みんなから相当信頼されているみたい。



「じゃあ、伝えてくるわ。」

そう言ってその爽やか男子は委員長の元に歩いていった。